天ぷらは、シンプルな料理ですが、その日の気温や湿度、
食材の状態によって味わいや食感が変わってきます。
温度の加減や揚げている時の音、変化していく色合い…。
これらを長年培ってきた感覚だけを頼りに見極め、
その日の食材の良さを存分に引き出し、最高級の逸品に仕上げます。
美味しい天ぷらを作るためには、衣から気を使います。
食材と衣の間に油が入り、衣が剥がれやすくならないように、
とにかく新鮮な粉を使用します。
そうすることで衣の固まる時間が短くなり、余計な油が入らずに
素材と衣に一体感のある天ぷらに仕上がります。
ここは、長年の感覚だけが頼りです。
食材の状態を見極め、その時々の最適な温度で、
素材に合わせて揚げていきます。
パチパチという音に意識を集中し、
色合いにも気を配り、熱を通しながらも旨味は逃さない
ギリギリのタイミングで引き上げます。